基本を忘れずに

先週の木曜句会に出てから、どうも調子がよくない。
原因が何かは、だいたいわかっている。
無理に詩的な表現や受けを狙おうとして、失敗しているのだ。例えば、こんな感じ。

陶枕や覚めやらぬ夢のひと滴

自分で言うのも何だが、ベタベタである。「夢のひと滴」って、この無理やりなポエムっぷりはいったい何なのだと自ら小一時間問い詰めてしまいたくなる。
基本は、事物を描写する写生にある。これを忘れてはいけない。観念や思い込みといったものは排除しなければならない。ドライに描いてこそ、俳句の切れ味が生まれる。
で、なおかつ答えを自分から言ってはいけない。状況だけを提示して、あとは読み手の想像に任せることが大事である。
どうも、背伸びをしすぎて俳句の基本を忘れてしまっているようだ。いま一度、基本に立ち返らねばなるまい。自分はまだ初心の身だということを肝に銘じなければならない。気をつけねば。