2月の不調

退院しても、すぐに社会復帰できるというものではないので、現在は自宅で静養している。
環境も変わり、ようやっと句を作れそうな状態になったのだが……これが、なかなかうまくいかない。入院前にmixiでバリバリ投句していた時の調子が戻ってこないのだ。どうも、入院している間に「俳句勘」とでも言うべきものが鈍ってしまったらしい。実は今、とある句会に参加するための句を作っているのだが、全くものにならない。非常に困っている。
もっとも、うまく作れない原因はもうひとつある。それは今の時期……そう、立春をはさんだ2月の季節感である。体感的には全くもって冬なのだが、明日から季語的にはもう春ということになっている。たとえ前日に大雪が降ったとしても、立春立春なのである。この辺の感覚のズレが、実にもどかしい。体感に頼ると冬に行ってしまうので、意識的に「春」の存在をイメージしていかないといけないらしい。折しも角川「俳句」2月号では「早春を詠む面白さと難しさ」という特集が組まれており、やっぱりこの頃は一般的に作句が難しいようだ。
だが、そうだからといって「できませんでした」では句会に参加する資格がない。悩んでいてもしかたがないので、鈍った頭でどうにか2つ3つひねり出してみた。しかし、どうにも今ひとつ手応えが得られない。そこで、うちの相方の登場である。
「この句、どう?」
「んー……あいかわらず、直接的な表現だねぇ」
「……」
反論ができない。かつての「3ない」状態に逆戻りしてしまった。
どうやら、せっかくつかんだリリカルな感覚を、入院生活で忘れてしまったようである。これでは、2月云々などと言っても何の言い訳にもならない。とにかく、忘れたものを取り戻さねばなるまい。